特設フロアー 日本遺産 三川内焼コーナー


染付

三川内焼は大名家や天皇家に献上する品を作る平戸藩の御用窯として技術を極めました。
下の写真は染付の香合で、「幸福香合」と呼ばれています。
陽山作で、染付は中里末太郎氏の手によるものです。
三川内では春には「三川内焼窯元はまぜん祭」(令和7年5月1日〜5日)、秋には「三川内陶器市」が開かれます。「はまぜん祭」は三川内山一体で開かれるお祭で、祭の間に開放される窯元を直接訪れ、作品だけでなく作家とも触れ合うことができます。「三川内陶器市」は伝統産業会館前の駐車場で開かれ、各窯元の出店が一同に集まるこの機会にいろいろな焼き物を品定めできます。

佐世保市の三川内地区にはたくさんの窯元があり、現在も400年の歴史が受け継がれています。


三川内焼

 三川内焼が現在の佐世保市三川内町で作られるようになる以前、陶工達は焼き物に適した土を求めて、長崎県の北部のあちこちに小さな窯を開いていました。松浦家のお膝元の平戸の中野窯では殿様の命でたくさんの焼き物が焼かれました。
 上の写真は中里末太郎氏の「すさめ手 寿茶碗」です。昔、松浦の殿様は、抹茶碗を功績のあった家臣への褒美としたと伝えられています。お正月にこの茶碗を殿様より直々に賜ることは大変名誉なことであったといいます。歴史にのみ名をとどめていた寿茶碗ですが、中里森三郎、末太郎親子の手で、当時のままに再現されました。白い刷毛目の再現には長い年月を要したといわれます。
 磁器で有名な三川内焼ですが、陶器の作品にも味わいの深いものがあります。春の三川内「はまぜん祭」で、陶板焼きの料理が紹介されていますが、硬くて丈夫な陶器の製品は実用的で評判が高いです。
 三川内の伝統産業会館から少し有田の方へ行ったところに、長崎の物産品をあつかうお土産スポットがあります。そこで今話題のタジン鍋を取り扱っているそうです。やきもののタジン鍋は、もちろん、地元の窯元で焼かれています。

日本磁器のふるさと肥前 〜百花繚乱のやきもの散歩〜

「肥前皿山紀行」写真展より 撮影 藤井美奈子
All rights reserved by Minako Fujii.

Suetaro Nakazato(Nakazato Yozan) 1897-1991

Suetaro Nakazato is a celamic artist.
Nagasaki prefecture recognized him as an intangible cultural treasure.

陽山 中里末太郎

 中里末太郎氏は「薄手白磁成形焼成技術」で、1975年に長崎県無形文化財保持者となられました。三川内焼の伝統をふまえた卓越した氏の技術は「卵殻手」と言われる薄い白磁の器に、さらに山水や花の文様を彫ると言うものです。
 上の作品は「染付豊穣皿」と呼ばれています。
 「炎の芸術品」と呼ぶにふさわしい三川内焼が今日まで伝えられているのには、多くの方々の弛まぬ努力が実を結んだ証といえます。
 三川内焼が平戸焼と呼ばれ、平戸藩の御用窯であった頃から宮中の御用品や献上品の数々が作られました。白磁の細工物や呉須絵の磁器は当時から質の高さで有名であったといわれています。
 中里末太郎氏の作品は14代続いた伝統を芸術として今に伝えています。

ご意見ご感想はメールで

Eメール:omame@mbr.nifty.com




トップページへ
トップ
次のページへ
次へ